深川不動堂
成田山新勝寺東京別院の深川不動堂です。永代寺が廃寺になった後、以前から出開帳が行われていた縁で、空いた土地に成田不動が分霊されたと云われています。
また、将軍徳川綱吉の母、桂昌院が「成田山は遠いので江戸で参拝したい」と希望し、深川不動堂ができたという説もあります。新しくできた本堂の外壁はお不動様のご真言に包まれた「真言梵字壁」で、仏の力に守護された空間となっています。
深川龍神
境内を入って左側には深川龍神があります。5月1日は深川龍神例大祭が行われます。龍神様は古来より水を司る神様です。水鉢に「龍神願い札」を浮かべてご祈願すると、願い事が龍神様に届くと云われています。
開運出世稲荷
境内を入って右側には開運出世稲荷があります。「成田山開運出世稲荷」のご分霊が勧請され、お祀りされている吒枳尼天(だきにてん)は商売繁昌、開運成就のご利益があるとされています。2月・9月15日は開運出世稲荷例大祭が行われます。
真言宗
深川不動堂は真言宗で、開祖空海は高野山に金剛峯寺を開創。密教は秘密仏教の略で、真言を唱えて祈り、あらゆるものの根源とされる大日如来を讃えます。
・真言密教の経典
大日経:菩薩である金剛薩埵の質問に大日如来が答える形式で、菩提心(悟りを求める心)をもって慈悲の菩薩行(人を救う行い)をしていこうと呼びかける。
金剛頂経:真実摂経を中心とする十八の経典。「真実とはなにか、どうすればそれを得ることができるのか」を大日如来が答える。
・曼荼羅
胎蔵曼荼羅:人間の本来の姿である仏性の種が、仏の慈悲によって目覚め、導かれて、ついに悟りという花が開く様子が描かれています。
金剛界曼荼羅:人間の悟りの進歩段階を右下の部分から渦巻き状に中心へ向かうように描かれています。
季節の写真
1月:初不動
2月:開運出世稲荷例大祭 冬の深川花手水
3月:春のお彼岸
4月:釈尊降誕会
5月:深川龍神例大祭 春の深川花手水
6月:両祖大師誕生会
7月:盂蘭盆会 蓮
9月:開運出世稲荷例大祭 秋のお彼岸
10月:深川花手水
11月:七五三
12月:納不動
境内案内図・アクセス
- 住所:東京都江東区富岡1−17−13
- 開扉時間:8時~16時
- 最寄り駅:東西線門前仲町駅1番出口より徒歩2分 都営大江戸線門前仲町駅6番出口より徒歩5分
参考文献:ムック編集部「知っておきたい日本の仏教」(エイ出版社2014) 松長 有慶「知っておきたい真言宗 (わが家の宗派シリーズ)」日本文芸社 (2003)