東海道四谷怪談の「お岩さん」ゆかりの地を訪ねて

江戸時代、夏の歌舞伎は盆狂言と言われ、怪談物がよく演じられました。怪談物と言えば鶴屋南北の「東海道四谷怪談」を思い出します。

深川の黒船稲荷神社地内には四世鶴屋南北が住んでいました。鶴屋南北は三世までが江戸歌舞伎の道外方で四世から歌舞伎作者となりました。四世は作者としては初世となります。寛政11年(1799)に立作者になり、「大南北」と称されました。今回は東海道四谷怪談の主人公「お岩さん」ゆかりの地を訪ねてみました。

タップできる目次

於岩稲荷田宮神社(新宿区左門町)

こちらが於岩稲荷田宮神社です。現在も東海道四谷怪談を演じる際はこちらにお参りする役者の方をニュースでよく見ます。境内の看板によると

於岩稲荷田宮神社は四谷左門町の御手先組同心田宮家の邸内にあった稲荷社です。初代田宮又左衛門の娘お岩(寛永13年(1636)没)が稲荷社を信仰し、夫婦円満で家勢を再興したことから「お岩さんの稲荷」として次第に人々の信仰を集めました。

文政8年(1825)に「東海道四谷怪談」が初演されるとさらに多くの信仰を集めるようになりました。稲荷社は明治12年(1879)に火事で消失しその際に初代市川左団次の勧めで中央区新川に移転となりました。その後も田宮家の住居として管理されており、昭和27年に四谷の旧地にも神社が再建され現在に至ります。

於岩稲荷田宮神社(中央区新川)

こちらが中央区新川にある於岩稲荷田宮神社です。中央区の新川は深川からも近く、この辺りは何度か来たこともありましたが、新宿区左門町の境内看板を見て初めてこちらにも於岩稲荷田宮神社があることを知りました。

こちらの境内看板を見ると、社地は歌舞伎俳優の初代市川左団次の所有地であり、花柳界や歌舞伎関係などの人々の参詣で賑わったようです。

陽運寺(新宿区左門町)

こちらが陽運寺です。老舗旅館の様な綺麗なお寺です。境内にはちょっと腰を掛けるスペースなどもあり、カップルで来ている人たちも見かけました。陽運寺のホームページを見ると

「この地にあったお岩様の霊堂が戦災にあったため栃木県沼和田から薬師堂を移築再建し当寺が開山されました。境内にある秦山木の下にお岩様縁の祠があったと伝えられ陽運寺の起源とされています。」とのことです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
タップできる目次